山口真由『天才とは,努力を続けられる人のことであり,それには方法論がある。』(扶桑社新書・平成30年)
甲子園2回戦に行ってきました。負けてしまいましたが,”あの時”の夢の続きを見ることができました。やー楽しかった。
静岡から新大阪まで新幹線で行くのに2時間くらい,だいたい本が1冊読めてちょうどいいですね。
方法14 読書に手間と時間をかけないこと
…そもそも一度読んだだけで理解しようとすることが誤りです。…
読むことに関しては,とにかく回数をこなすのが鉄則です。2時間かけて一度精読するのではなく,30分で4回ページをめくり続けたほうが,頭に入ります。
そして,回数を重ねることで,徐々に頭のなかに入っていくようになり,結果的には一度精読した人よりも学習できているのです。(95頁から96頁)
方法17 努力の「8対2の法則」とは?
…何かを覚えるには,反復がもっとも重要で,反復すれば,絶対に解けるようになります。解けるようになると面白くて,さらに努力を続けることができます。…
そう反復という観点からは,この8割が正解できて,2割は努力が必要なくらいのレベルというのが重要なのです。(105頁から106頁)
山口先生の別著『東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法』(PHP研究所・平成29年)でもいわれている,とくにかく複数回本を読むという勉強法ですね。
私は1週目は精読派なので,少し主張が異なりますが,回数を重ねることで頭に入るというのは共感します。
方法18 デスクトップは×,パスワードは〇
努力をする際には,とっかかりが大事だと述べました。…
しかし,常にチラチラ見えてしまうものが効果的なスイッチになるでしょうか?常に見え続けていれば,逆にスイッチではなくなります。…
つまり,努力スイッチは,常に見えているのではなく,一瞬しか確認できないことが重要なのです。…
これもちょっと気恥ずかしい話ですが,私が個人的にやっているのは,パソコンのキーワードを努力目標のキーワードにしてしまうことです。…
…ログインパスワードを,目標としている試験の名前にしたり,需要なイベントがある日にちにします。…
…努力目標をパスワードに入れれば,努力していることがパソコンをつける前に再確認できます。そのことで,すぐに努力スイッチをオンにでき,だらだらとネットサーフィンをする習慣を自然と抑えることができます。(111頁から115頁)
これ,いいですね。
目標や格言を紙に書いて貼っておいたりしても,3日坊主になりがちです。
たまに,これどしっかりと目に入るキーワードというのは意識しますから,「努力スイッチ」になりますね。
方法22 なぜ人は一生懸命選んだ手帳を1か月で使わなくなるのか
…残念なことにそういった厳格なスケジュール管理はほとんど意味がないのです。…
そんなものをたてても,どうせ達成できないからです。…
では,スケジュールを管理するにはどうしたらいいか。
それは「外圧」を用いることです。…
…外圧的なものにしないとスケジュールの徹底管理など無理なのです。…
…外圧を利用しようとする場合は,勉強に取り掛かる前に,試験までに開催される模試を調べることから始まります。そして,受けられるものすべてに申し込んでしまいます。これで終わりです。
あとは,「今日はここまで」とか「今週・今月はここの範囲を」といったような具体的なスケジュールを立てずに,その日に進められる分だけ進めます。…
そして,模試を受けて,結果を見る。すると,どこに穴があるかが一目でわかります。(138頁から142頁)
方法23 決めたルールを守るには
…他人に自分のルールや決まりを公開するという方法があります。
たとえばある原稿を期日までに提出しなければならなかったとします。その場合は,送付先の人に対して,「毎週末に少しだけでも書きためたところまでを送付する」と先に言ってしまうのです。自分のなかの約束では守ることができませんが,他人との約束にしてしまえば,破りにくくなります。つまり,外圧を入れてしまうのです。(148頁)
裁判の期日管理はまさにこれで,毎回の裁判では次回までの宿題を決めます。
代理人弁護士としては,裁判官と約束した以上,期日通りに書面や証拠を準備して提出することを繰り返します。まさに外圧です。
裁判に限らず,予め顧客に「何日までにやります」と先に約束してしまうと,自分を追い込んで仕事がはかどります。
「海賊王になる」と常に言っている人は,それに見合う努力をしますから,海賊王になれるんでしょうね。
方法27 ハードル「質」より「量」
毎日,仕事や勉強を始めるときに,”今日,自分が何をどのくらい終わらせることができるか”と考えてみましょう。…
…ここからがとても重要ですが,作ったそのハードルをほんの少し高く飛び越えることを心掛けます。
たとえば,”今日,原告を書き進める”と消えたとします。おそらく20頁ほど書けるのではないかと思ったとしたら,21ページ書き進めてみる。
そして,肝心なのは,ハードルを定性的なものではなく,定量的なものにすることです。…
加えて,ハードルを「ほんの少し」高く越えるときのポイントは,プラス5%という微妙な高さを維持することです。(165頁から167頁)
エキストラ・ワンマイルですね。
⇒ムーギー・キム『最強の働き方 世界中の上司に怒ら荒れ,凄すぎる部下・同僚に学んだ』(東洋経済・平成28年)
自分の設定した目標,限界を少し超えることができた,ということは成功体験になります。モチベーションの維持にもよいですね。
方法36 努力をした自分自身を否定してはいけない
…努力をする人は特別頭がいいわけでもなければ,野心家であるわけでもありません。ただ,「こういう自分でありたい」という切実な思いがあっただけです。
そして,今の自分がいるところより,少しだけ前へ進みたいという気持ちがあります。小さな一歩でも,何十年の歳月で繰り返せば,それは,大いな前進になるのです。(219頁)
努力を続ける人はどんどん出世して,そうでもない人と差が開いていきます。学生のときは大差なくとも,何十年かたって同窓会に行くとその差を実感するものです。
今般母校の甲子園の応援に行き,思えば私の「こういう自分でありたい」は高校で應援團指導部主将をしていたときに形成されたことを思い出しました。
他人と比較することに意味はありませんが,「こういう自分でありたい」を持ち続けたいものですね。