堀尾の本棚

小野和俊『その仕事,全部やめてみよう 1%の本質をつかむ「シンプルな考え方」』

小野和俊『その仕事,全部やめてみよう 1%の本質をつかむ「シンプルな考え方」』(ダイヤモンド社・令和2年)

 

著者は,ITベンチャーのアプレッソを起業→セゾン情報システムズと資本業務提携→現クレディセゾンCTOという経歴の方です。
大変共感しました。やはりIT系の方の話はすっと入ります。

 「1日でも早く先輩の力になれるようにがんばろう」
 新人はこんなふうに考えがちだ。この姿勢は謙虚だし,ある種の美徳と言えるかもしれないが,私の考え方は少し違う。
 「ラストマン戦略」とは,グループ内で自分が一番になれそうな領域を決め,「あの人がわからないなら,だれに聞いてもわからないよね」という,いわば最後の砦とも言うべきスペシャリストを目指す成長戦略だ。
 「グループ内で一番」というと尻込みするかもしれない。しかし,「グループ内」は課や部といった小さい単位でいい。そこでラストマンになれたら,一段階大きい組織でのラストマンを目指す。これを繰り返していく。逆に,もし小さなグループでさえラストマンになれなかったら,その領域は向いていなかったということだ。(106頁)

組織や地域内でまだ詳しい人がいない領域で1番になることができれば,非常に強い武器になります。組織全体でみれば,専門性の高い人材がそろった強いチームになります。
これは,”なんでもそつなくこなす”ジェネラリストを目指すより重要なことです。突出したスキルやパラメータがないと,多様な現代社会では戦っていけないのではないでしょうか。

…というような話は私の好きな本にはよくある話。
例えば,,星野明宏『元電通マンの教師が教える 凡人でもエリートに勝てる人生の戦い方。』(すばる舎・平成26年)に詳しいです。突出したスキル・パラメータを獲得することは,まさに私のような「凡人がエリートに勝つ」方法と思っています。

本書で特にいいなと思ったのは,「これを繰り返してく」の部分です。
小さなグループ,小さな分野で1番になったら,これをどんど広げていくと…
夢が広がりますね!全国区のIT弁護士を目指します。

 

 国産RPGの金字塔『ドラゴンクエストⅢ』には,「遊び人」という職業があり,レベル20まで育てると,「賢者」に転職することができる。子供の頃は「なぜ遊び人が急に賢者になれるのだろう?」と疑問に思ったものだ。だが大人になって考えてみると,このシステムは極めて示唆的である。…

 スティーブ・ジョブズは,…「役に立つようには思えない」ことが将来へつながっていく様子を”Connecting the dots”(点と点をつなぐ)と言った。…

 「役に立つように思えなかった何か」に没頭したことが,ある日,自分のとり組むべき仕事に直結し,それがイノベーションにつながる。
 だが,とり組んでいるときは何も見えない。没頭してとり組んだすべてが,何かに必ずつながるわけではない。
 しかし,こうした引き出しを持っているかどうかで人生は違うものになってくる。…
 役に立つことが証明されていないものはしばしば「遊び」と言われる。… 
 とり組む対象が「遊び」要素の強いものであればあるほど,夢中度が高ければ高いほど,その行きついた先にある「点」はユニークで交換不可能なものになりやすい
 「遊び人」は「賢者」になれる可能性を秘めているのだ。(112頁から116頁)

有名なジョブズの”Connecting the dots”の話ですね。
思えば中学時代に触ったパソコンと,高校の朝読書で読んだ福井健策先生の「著作権とは何か」(集英社新書・平成17年)で,今も飯食ってるんだよなー
学生時代さんざん通ったカラオケは,企業の社長とのコミュニケーションに大変役立っています。私の十八番は尾崎ですが,「若いのによくわかってるな!」とよくなります。
没頭して勉強して,あとは”ご縁”を信じて精進するのみです。

 チームメンバーひとりひとりが最大限に力を発揮するためにはどうすればいいのだろうか。一番大切なのはメンバーが「自分の価値は正しく理解されている」と感じながら仕事をすることだ

仕事って,
社会の中の役割分担の中で自己実現することじゃないですか。
仕事において自分の価値を理解されているという実感,部下に持ってもらうことは大事ですよね。
ちょうど山本昌邦さんも『勝つ組織』(角川oneテーマ21・平成24年)でも同様のことを言っています。

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